退院してまもない夕方であった。
彼の住む盛り場の近所へ所用があって出向いたが、そこは私の始めての土地で、おまけにその日は一人であり、知っている土地へ戻って一杯やるのもオックウであり、さりとて飲むべき店も見当がつかない。
私は王子君五郎氏を思いだした。
退院してまもない夕方であった。
彼の住む盛り場の近所へ所用があって出向いたが、そこは私の始めての土地で、おまけにその日は一人であり、知っている土地へ戻って一杯やるのもオックウであり、さりとて飲むべき店も見当がつかない。
私は王子君五郎氏を思いだした。