戦乱破壊のあとのドサクサには、いつの世も浮浪児や集団強盗がハバをきかせるもので、やがて一国一城のボスとなり、三十年もたって孫子の代になると、大名、貴族、名門などと云われて、人間の種が違うように思われてしまうが、根は浮浪児や集団強盗の出身なのである。
こういうドサクサ時代というものには、没落階級はつきもので、変化に応じて身を変えられる、青年の天下であり、甲羅ができて身を変えられぬ老人共はクリゴトを述べるばかりで、ウダツがあがらぬ習いである。
現代とても同じこと、法治国、文明開化のオカゲによって一応の秩序は保たれているように見えるが、裏へまわれば、裏口営業もあるし、巡査はボスの手先をつとめ、税吏は酒池肉林の楽しみをつくす。