僕は帰りに埃だらけの茶の間を爪先で通り抜けて玄関へ出た。
その時ついでに二人の寝ている座敷を蚊帳越しに覗いて見たら、目敏い母も昨日の汽車の疲が出たせいか、まだ静かな眠を貪ぼっていた。
千代子は固より夢の底に埋まっているように正体なく枕の上に首を落していた。
僕は帰りに埃だらけの茶の間を爪先で通り抜けて玄関へ出た。
その時ついでに二人の寝ている座敷を蚊帳越しに覗いて見たら、目敏い母も昨日の汽車の疲が出たせいか、まだ静かな眠を貪ぼっていた。
千代子は固より夢の底に埋まっているように正体なく枕の上に首を落していた。