その暮方、私はちょうど小説を脱稿したので、久し振りに巨勢博士の探偵事務所を訪ねた。
そこは有楽町駅に近いビルの一室で、私の行きつけの裏口飲み屋に目と鼻のところであるから、博士を誘って一杯飲もうと思ったのである。
もとより遠慮のない間柄であるから、なんの訪いもなく勝手に扉をあけてはいって行くと、若い青年と、若い婦人の先客がいて、何やら用談の気配である。
その暮方、私はちょうど小説を脱稿したので、久し振りに巨勢博士の探偵事務所を訪ねた。
そこは有楽町駅に近いビルの一室で、私の行きつけの裏口飲み屋に目と鼻のところであるから、博士を誘って一杯飲もうと思ったのである。
もとより遠慮のない間柄であるから、なんの訪いもなく勝手に扉をあけてはいって行くと、若い青年と、若い婦人の先客がいて、何やら用談の気配である。