出征の前夜に、安彦兄さんは遺品として、先程御鑑定を願いました手型と、もう一つ、ひそかに私をよび寄せて、一冊の日記帳を手渡しました。
昭和十七年度の日記帳でございます。
自分が戦死の暁に中をあけてみるように、と言い含めまして、包み紙のようなもので、幾重にも、ていねいに、堅く包んで、封印されておりました。
出征の前夜に、安彦兄さんは遺品として、先程御鑑定を願いました手型と、もう一つ、ひそかに私をよび寄せて、一冊の日記帳を手渡しました。
昭和十七年度の日記帳でございます。
自分が戦死の暁に中をあけてみるように、と言い含めまして、包み紙のようなもので、幾重にも、ていねいに、堅く包んで、封印されておりました。