ところで、包み紙の表紙に、マルコ伝第八章二十四と大きな字でハッキリ書いてあったというのです。
マルコ伝第八章二十四と申しますのが、つまり、人を見る、それは樹の如きものの歩くが見ゆ、という文句なんですがね。
そこで、犯人を見た、という謎じゃないかというわけなんですが、この日記帳が、昭和十九年末の疎開に当って、美津子さんが机のヒキダシをあけてみたら、紛失していることが分ったというのです」
ところで、包み紙の表紙に、マルコ伝第八章二十四と大きな字でハッキリ書いてあったというのです。
マルコ伝第八章二十四と申しますのが、つまり、人を見る、それは樹の如きものの歩くが見ゆ、という文句なんですがね。
そこで、犯人を見た、という謎じゃないかというわけなんですが、この日記帳が、昭和十九年末の疎開に当って、美津子さんが机のヒキダシをあけてみたら、紛失していることが分ったというのです」