僕は調べものの方に気を取られて、彼の顔を出した時、やあとただふり返っただけであったが、それでも彼の血色がはなはだ勝れないのを苦にして、仕事の区切がつくや否や彼を探しに書斎を出た。
彼は妻とも仲が善かったので、あるいは茶の間で話でもしている事かと思ったら、そこにも姿は見えなかった。
妻に聞くと子供の部屋だろうというので、縁伝いに戸を開けると、彼は咲子の机の前に坐って、女の雑誌の口絵に出ている、ある美人の写真を眺めていた。
僕は調べものの方に気を取られて、彼の顔を出した時、やあとただふり返っただけであったが、それでも彼の血色がはなはだ勝れないのを苦にして、仕事の区切がつくや否や彼を探しに書斎を出た。
彼は妻とも仲が善かったので、あるいは茶の間で話でもしている事かと思ったら、そこにも姿は見えなかった。
妻に聞くと子供の部屋だろうというので、縁伝いに戸を開けると、彼は咲子の机の前に坐って、女の雑誌の口絵に出ている、ある美人の写真を眺めていた。