新聞社の人の話によると、神前の行事に終夜ねむらされぬことが多く、コックリやりだすと蹴倒されて魂に気合をかけられ、睡眠不足のアゲクには精神異常となつて、妄覚を起してしまふ。
つまり呉八段に対する神様の戦法の最有力の一つは、眠らせぬ、といふことらしい。
彼の対局料一つによつて神様ケン族の生計を支へてゐるに拘らず、神前に於て彼の蒙る虐待は特に甚しいものださうで、さる諷刺雑誌の記者が信徒に化けこむことに成功したが、この記者も呉八段が神の怒りを蒙つて内務大臣だかに荒々しく蹴倒され、踏みつけられるのを見たといふ。