十年不敗の木村は十年間にまいた種の累積の上で、宿命的につぶれたのであり、塚田はこの二年間の心構えのアゲクとして、遂にこの第五局へ持ちこんでしまつたのである。
私が対局場へ行つて、二三分ブラブラしてゐると、塚田木村両対局者が対局場へ現れた。
塚田は例の無口、無愛想で、知人がゐても挨拶する気もないらしく、木村は知つた顔に挨拶して、私にも、御カゲンがお悪かつたさうで、いかゞですか、などゝ云つたが、ソワソワして、どことなく落付きがなかつた。
十年不敗の木村は十年間にまいた種の累積の上で、宿命的につぶれたのであり、塚田はこの二年間の心構えのアゲクとして、遂にこの第五局へ持ちこんでしまつたのである。
私が対局場へ行つて、二三分ブラブラしてゐると、塚田木村両対局者が対局場へ現れた。
塚田は例の無口、無愛想で、知人がゐても挨拶する気もないらしく、木村は知つた顔に挨拶して、私にも、御カゲンがお悪かつたさうで、いかゞですか、などゝ云つたが、ソワソワして、どことなく落付きがなかつた。