御祖父さんは銅壺の中に酒をいっぱい入れて、その酒で徳利の燗をした後をことごとく棄てさしたほどの豪奢な人だと云うから、銀扇の百本ぐらい一度に水に流しても平気なのでしょう。
そう云えば、遺伝だか何だか、叔父さんにも貧乏な割にはと云っては失礼ですが、どこかに贅沢なところがあるようですし、あんな内気な母にも、妙に陽気な事の好きな方面が昔から見えていました。
ただ僕だけは、――こういうとまたあの問題を持ち出したなと早合点なさるかも知れませんが、僕はもうあの事について叔父さんの心配なさるほど屈托していないつもりですから安心して下さい。