ほかに見物人はゐないけれども、たつた一人、異様の人物が端坐してゐる。
済寧館の武道教師とおぼしきヒゲのある人物で、坐り方が武術家独特のものである。
木綿のゴツゴツした着物に袴をはいて、屏風の中の光の下から二三間離れた薄暗がりに微動もせず端坐してゐるのである。
ほかに見物人はゐないけれども、たつた一人、異様の人物が端坐してゐる。
済寧館の武道教師とおぼしきヒゲのある人物で、坐り方が武術家独特のものである。
木綿のゴツゴツした着物に袴をはいて、屏風の中の光の下から二三間離れた薄暗がりに微動もせず端坐してゐるのである。