あんたがどんな偉い人かは知らんが、この婆アに足で頭を踏みつけられた、腹が立つ、帰れ、ハア、帰りましょう、ハイ、サヨナラ、それだけのことじゃ」
この婆さんの温灸というのは、由来書の通りに云えば、菅平高原から採取している十何種かの高山植物と、動物のホルモン等々をねり合せた黒色のウニのようなものをガーゼの上へ一センチぐらいの厚さにつみ、その上へモグサを山ともりあげて燃すのである。
黒色のウニのようなものが多分に液汁を含んでいるから、それが燃えない限り、さのみ熱くはなく、熱くなると、やめるという仕掛けで、終るまでに一時間ぐらいはかゝるかも知れぬ。