寒気のために、全身の顫えがとゞまらず、鼻から、口から、まったく寸秒の暇なく洟汁が流れ、こみあげ、私は吐き気のために、そして、それを抑えるために、胃がねじくれ、意識が、苦痛以外には、すべて、失われるようであった。
その夕方の六時、京都へ辿りついた時、私はまったく病人であり、発熱して、旅館に病臥してしまった。
京都へ着いたら、と、色々と思い描いていた希望は、すべて虚しく、約二時間、京都の街をうろついたほかは、旅館にとじこもって、炬燵に寝倒れ、その肉体的な苦痛よりも、仕事と闘うために最後の希望を托していた、その打撃が、まさしく私を打ちふせてしまったのである。