しかし、自分がまことに一芸に専門家であるなら、あらゆる専門家に貴賤上下の別がないことが分るもので、内村博士が荒巻に与えた訓戒は当然すぎるものであるが、日本の常識としては、これは尚、異端に属するものであるかも知れない。
内村博士のような学壇の壇の深くまつりあげられた超俗の学者が、嬉々として好きな野球随筆に打ちこんでいるのもアプレゲールの新風俗として慶賀すべきところであろう。
これに好一対をなすのが、宇野六段の阪神入りで、往年の学生横綱浅岡信夫が参議院議員になるよりも、宇野六段がバットをふり廻してくれる方が、私にはほゝえましく思われる。