ただ、政治的カラクリをのぞいては。
こんな人の理性をなめたことをやらず、真剣に、恋愛一途に没頭し、同じ家出をやるにしても、ミーちゃんハーちゃんと同じように、買い物に行ってきますと云って家出して、つつましく結婚していれば、どれぐらい素直で、人の反感を刺戟しなかったか知れないであろう。
連日にわたってフロシキ包みを持ちだして、ミーちゃんハーちゃんと同じことをやっていながら、家出という一事のみに、代議士なみの効果を利用し、午前五時、ヘッド・ライト、墓前、線香、このイヤミは、人間がその一途の恋に於て当然そうあるべき素直さを汚すこと万々である。