「私は天皇になる」などゝ、敗戦の悲劇もさとらず、身の毛のよだつようなことを云う皇太子に、拙かりし過去のわが身、天皇の虚名を考えて、誰よりも多く身の毛をよだててくれるのが、父親たる天皇自身でなければならないだろう。
巷間伝うるところによれば、天皇は聡明であり、軍部に対しても、釘をさしたというが、最後の断を除いては、釘をさした効果らしいものは全然見当らないではないか。
去年だかの旅行先で、どこかの社長が社の理想を長々と述べたに対して、どうぞ、その通りにやって下さい、と答えたそうだが、その程度の有りふれたアイロニイは劣等生でも言えることだ。