徳川時代の農民一揆の場合などでも、武士がゼイタクしていたという例は珍しく、江戸大坂に若干の繁栄があったほかは、国土の貧しさと人口の多さによって、支配階級の武士すらも、もっぱら質実剛健を旨とせざるを得なかったのである。
台湾、朝鮮、カラフトと明治以後の日本は領地をかせぎ、大軍備を誇って世界三大強国などゝ言っていたが、その生活水準の低さというものは論外で、フィリッピン以上のものではなかった。
これは驚くべき事実であるが、日本の歴代の内閣が、国民の生活水準を高める、ということを政策にかかげたことがない。