第二日目には三千円ほどの損でくいとめたから、三日目はいよいよ三十万円の大モウケだと、宿屋の寝床の中でアレコレ秘策をねり、こころよく熟睡したが、翌日はなんぞはからん、第十レースにして所持金全額を使い果し、一敗地にまみれて明るいうちに伊東の地へ立ち帰る仕儀と相成ったのである。
わが家に於ては小生が有金全部失うこと必定とみて、すでに東京に赴いて金策を果し、敗軍の将をねぎらうに万全の用意をととのえていたが、このへんは近来の美談と云うべきであろう。
その三日の間に、私は競輪の選手と予想屋を招待して、その話もきいた。