碁会所は達人だけが来るわけではなく初心者もくるから、初心者相手にくんずほぐれつやったらお前さんも溜飲が下るだろう、とすすめて碁会所をひらかせた。
オヤジは大変な乗気で、碁道具一式そろえ、初心者きたれ、と待ち構えていたが、あいにくなことにオヤジと組んずほぐれつの好敵手はいつまでたっても現れず、誰も彼を相手にしてくれないので、オヤジのラクタン、私もしかし今もってフシギであるが、これぐらいヘタクソで、これぐらい好きだというのは、よくよく因果なことである。
そのうちに、ここがバクチ宿のようなものになった。