そういうのは前後不覚に酔って、いつやられたか当人も知らない場合が多く、私がこのマーケットへ飲みに行っていたころも、入口出口の要所の店には、帰り客の酔態を監視している何人づれかのアンチャンが必ずタムロしていたものである。
このマーケットは取り払われたが、その四囲のマーケットは残っており、アンチャン連の存在は今もって変りがない。
人間が何千年の時間をかけて社会秩序というものを組みたてても、ひとたび我々の直面した敗戦焼跡の如きものがあって、無政府状態が訪れた際には、歴史は逆転して同じフリダシへ戻ってしもう。