私につきまとうにしても、歌舞伎の舞台の娘が一途に男をしたうと同じ有様で、思いつめているばかり、踊りや長唄などの稽古にかこつけて私を訪れて、キチンと坐って、芸道の話をしたり、きいたり、しかし時には深夜二時三時に自動車でのりつけて、私が出てみると、ただ悄然とうなだれていたりして、こういう時には困ったものだ。
そんな時には、ずいぶんジャケンに叱りつけたり、追い返したり、時には私が酔っていて、ひどいイタズラをしたこともあった。
深夜にやってきて、どうしても私から離れないから、男色癖のある九州男児をよびむかえ、私はそッとぬけだして青楼へ走ってしまった。