多賀へ行くには電車があるもの。
電車はたった一丁場だが、これを歩けば錦ヵ浦から岬をグルグル大廻り、二里もあるのだ。
土地不案内な人間なら、よけい雑踏の波から外れて逃げるものではなく、どう、とりみだしたって、こんなフシギな逃げ方をすることは考えられないのであるが、石川淳だけが、これを為しとげたのである。
多賀へ行くには電車があるもの。
電車はたった一丁場だが、これを歩けば錦ヵ浦から岬をグルグル大廻り、二里もあるのだ。
土地不案内な人間なら、よけい雑踏の波から外れて逃げるものではなく、どう、とりみだしたって、こんなフシギな逃げ方をすることは考えられないのであるが、石川淳だけが、これを為しとげたのである。