今年までは糸川を歩いたこともなかったのである。
たまたま林屋旅館を知るようになり、どんな真夜中に、電車も旅館もなくなって叩き起しても、イヤな顔せずに歓迎してくれるから、時ならぬ時に限ってここを利用し、したがって糸川の地を踏むようになったが、その奥のパンパン街を散歩したのは、たった一度しかなかった。
私はこういうところは、半生さんざん歩いてきたから、今さら新天地を開拓するような興味が起らなかったのである。
今年までは糸川を歩いたこともなかったのである。
たまたま林屋旅館を知るようになり、どんな真夜中に、電車も旅館もなくなって叩き起しても、イヤな顔せずに歓迎してくれるから、時ならぬ時に限ってここを利用し、したがって糸川の地を踏むようになったが、その奥のパンパン街を散歩したのは、たった一度しかなかった。
私はこういうところは、半生さんざん歩いてきたから、今さら新天地を開拓するような興味が起らなかったのである。