床しからぬにもあらぬ昔の、今は忘るるをのみ心易しと念じたる矢先に、忽然と容赦もなく描き出されたるを堪えがたく思う。
「安からぬ胸に、捨てて行ける人の帰るを待つと、凋れたる声にてわれに語る御身の声をきくまでは、天つ下れるマリヤのこの寺の神壇に立てりとのみ思えり」
逝ける日は追えども帰らざるに逝ける事は長しえに暗きに葬むる能わず。
床しからぬにもあらぬ昔の、今は忘るるをのみ心易しと念じたる矢先に、忽然と容赦もなく描き出されたるを堪えがたく思う。
「安からぬ胸に、捨てて行ける人の帰るを待つと、凋れたる声にてわれに語る御身の声をきくまでは、天つ下れるマリヤのこの寺の神壇に立てりとのみ思えり」
逝ける日は追えども帰らざるに逝ける事は長しえに暗きに葬むる能わず。