野口はなんとなく哀れに思い、三千円だと引越しのツケトドケにしかならないが、どうせ戦禍に消え失せるもの、捨てるよりは三千円で売った方がマシだろうと思った。
けれども一皮むいて考えると、同情してみたって始らない。
戦争というこの冷酷な魔神の通路には、ただ運命があるだけで、誰だって自分の意志でそれを逃れることはできない。
野口はなんとなく哀れに思い、三千円だと引越しのツケトドケにしかならないが、どうせ戦禍に消え失せるもの、捨てるよりは三千円で売った方がマシだろうと思った。
けれども一皮むいて考えると、同情してみたって始らない。
戦争というこの冷酷な魔神の通路には、ただ運命があるだけで、誰だって自分の意志でそれを逃れることはできない。