居と住に於て不安がなく、むしろ栄養にめぐまれているからである。
ただ一人亮作のみは――否、名を変えた後の水鳥亭山月に於ても、彼が獲て、また必死に守りつづけているものは、一軒の家とささやかな畑のみであり、そして彼の衣食住は戦争中と全く変りのないものだった。
彼は自分の畑の物を食べる以上にどんなゼイタクもできなかった。
居と住に於て不安がなく、むしろ栄養にめぐまれているからである。
ただ一人亮作のみは――否、名を変えた後の水鳥亭山月に於ても、彼が獲て、また必死に守りつづけているものは、一軒の家とささやかな畑のみであり、そして彼の衣食住は戦争中と全く変りのないものだった。
彼は自分の畑の物を食べる以上にどんなゼイタクもできなかった。