相当ムリにツジツマを合せる苦しさはあるが、トリックやヒントの華麗さは、外国にもあまり例がなく、たとえば、「獄門島」に於て、犯人を和尚単独にすると手易く見破られやすい、そこで一人一殺ずつ三人の犯人を仕立てたところは、意外であってもムリであるが、三つの俳句による殺人法などのトリックは華麗であって、大いに珍重しうるものである。
私は横溝君を世界のベスト・テン以上、ベスト・ファイブにランクしうる才能であると思っている。
純粋に推理小説作家ではなく、怪奇趣味、抒情趣味が謎ときゲームの妙味を減殺しているが、時には謎にモヤを加えて役立つ時もある。