大鹿さんは私の手切れ金として岩矢に三百万円渡すことになっていました。
明日の正午に受取ることになっていましたが、岩矢は明日の午後三時にある人に支払いする必要があって、今夜のうちに、金が欲しいと言いだしたのです。
私は今日の夕方、煙山さんが大鹿さんに三百万円渡したことを知ってますし、岩矢の態度には変ったところがなく、彼の欲しいのは金だけで、ほかに含むところがない様子を見てとりましたから、それでは、今夜のうちに大鹿さんからお金をいただきなさい、いっしょに隠れ家へ行きましょう、と、なんの気なしに、隠れ家も教えました。