しかし彼には、街や人よりも、山や川が胸にしみてくるのであった。
業平や小町や物語の光君という人などが花やかな貴族生活をくりのべていたころでも、古都は明るいものではなかった。
賀茂の河原は疫病で死んだ人の屍体でうずまり、屍臭フンプンとして人の通る姿もなく、烏の群だけが我がもの顔に舞いくるっていたものだ。
しかし彼には、街や人よりも、山や川が胸にしみてくるのであった。
業平や小町や物語の光君という人などが花やかな貴族生活をくりのべていたころでも、古都は明るいものではなかった。
賀茂の河原は疫病で死んだ人の屍体でうずまり、屍臭フンプンとして人の通る姿もなく、烏の群だけが我がもの顔に舞いくるっていたものだ。