私は自分の病気中の経験から判断して、人間は(私は、と云う必要はないように思う)最も激しい孤独感に襲われたとき、最も好色になることを知った。
私は、思うに、孤独感の最も激しいものは、意志力を失いつつある時に起り、意力を失うことは抑制力を失うことでもあって、同時に最も好色になるのではないかと思った。
最後のギリギリのところで、孤独感と好色が、ただ二つだけ残されて、めざましく併存するということは、人間の孤独感というものが、人間を嫌うことからこずに、人間を愛することから由来していることを語ってくれているように思う。