「まことに、おはずかしいが、オイドンはお梨江嬢の方に気をとられて、犯人と犯行の瞬間を目撃いたしておりません。
両名で担っておった山カゴがグラグラと前へゆれて傾きおるから、ふと見ると、五兵衛どんが胸か腹をおさえて、前へトントンとのめるように倒れるところでした。
あの人は剛気ですから、その瞬間になっても、山カゴを担った片手は放しません。
「まことに、おはずかしいが、オイドンはお梨江嬢の方に気をとられて、犯人と犯行の瞬間を目撃いたしておりません。
両名で担っておった山カゴがグラグラと前へゆれて傾きおるから、ふと見ると、五兵衛どんが胸か腹をおさえて、前へトントンとのめるように倒れるところでした。
あの人は剛気ですから、その瞬間になっても、山カゴを担った片手は放しません。