明治元年、開店の当日からというから、藤兵衛と苦難を共にして今日を築いた白鼠というわけである。
「お前がゆうべここへ来たのは、どうしたわけだえ」
「昨日行商にでまして夜分ようやく家へ戻って参りますと、家内が旦那からの手紙を受けとっておりまして、これは町飛脚が持参いたしたものだそうでございますが、この手紙を見次第、夜分おそくとも構わないから裏口から訪ねてくるように、今日は五日の水天宮の縁日だから、どんなに遅くなっても待っているから、という文面でありました。
明治元年、開店の当日からというから、藤兵衛と苦難を共にして今日を築いた白鼠というわけである。
「お前がゆうべここへ来たのは、どうしたわけだえ」
「昨日行商にでまして夜分ようやく家へ戻って参りますと、家内が旦那からの手紙を受けとっておりまして、これは町飛脚が持参いたしたものだそうでございますが、この手紙を見次第、夜分おそくとも構わないから裏口から訪ねてくるように、今日は五日の水天宮の縁日だから、どんなに遅くなっても待っているから、という文面でありました。