正午の勢揃いまでには間があったが、虎之介は持てるものの心のゆたかさ、出家遁世なぞというさもしい気持にはなれないから、十時ごろには腰に午の握り飯をぶらさげて新十郎の書斎の方をニコヤカにチラチラ横目をくれながら、結城家の庭をブラブラしている。
今日は、彼の他にもう一人妙なヤジウマが早朝から詰かけている。
お梨江である。
正午の勢揃いまでには間があったが、虎之介は持てるものの心のゆたかさ、出家遁世なぞというさもしい気持にはなれないから、十時ごろには腰に午の握り飯をぶらさげて新十郎の書斎の方をニコヤカにチラチラ横目をくれながら、結城家の庭をブラブラしている。
今日は、彼の他にもう一人妙なヤジウマが早朝から詰かけている。
お梨江である。