人生は七ころび八起きのものだが、犯罪は見ッかると一ペンコッキリで後がないから、神仏とか因縁なぞを考えるのさ」
海舟は左手の指をチョイときって、悪血をとりはじめた。
「四日の晩に藤兵衛に叱られて殺意を起したという新十郎の見方に狂いのある筈はないのだが、修作の云い分によると、主殺しの筋は先月立てたことで、四日の晩に叱られたのがむしろ運のつきだ、というのさ。
人生は七ころび八起きのものだが、犯罪は見ッかると一ペンコッキリで後がないから、神仏とか因縁なぞを考えるのさ」
海舟は左手の指をチョイときって、悪血をとりはじめた。
「四日の晩に藤兵衛に叱られて殺意を起したという新十郎の見方に狂いのある筈はないのだが、修作の云い分によると、主殺しの筋は先月立てたことで、四日の晩に叱られたのがむしろ運のつきだ、というのさ。