弟達也は当年二十五、立派な青年紳士であるが、自分の住むべき家は兄貴に住まわれ、自分が割譲さるべき財産は兄貴に全部使い果たされ、やむを得ず兄の居候となって、不平満々の日々を送っている。
天王会の本殿境内で唯一の異端者は彼であり、彼は天王会を目の敵にしていた。
さて、月田銀行頭取全作の妻まち子(当年二十七)は山賀侯爵夫人かず子の妹であった。
弟達也は当年二十五、立派な青年紳士であるが、自分の住むべき家は兄貴に住まわれ、自分が割譲さるべき財産は兄貴に全部使い果たされ、やむを得ず兄の居候となって、不平満々の日々を送っている。
天王会の本殿境内で唯一の異端者は彼であり、彼は天王会を目の敵にしていた。
さて、月田銀行頭取全作の妻まち子(当年二十七)は山賀侯爵夫人かず子の妹であった。