二派というのは、世良田摩喜太郎と大野妙心の対立のことであるが、妙心はこの教団内に於ては世良田の声望に押えられて、それを凌ぐことができない。
けれども彼は元来の宗教家であり、こと宗教に関する学識に於ては世良田の及ぶところではなく、又、宗団経営の見解、手腕についても、自分に独特の識見をそなえている。
元々、禅、真言、天台と仏教だけでも三宗を転々としたほどの山師的、唯我的な男であるから、自分が一宗をひらきたいということは彼の念願であるに相違ない。
二派というのは、世良田摩喜太郎と大野妙心の対立のことであるが、妙心はこの教団内に於ては世良田の声望に押えられて、それを凌ぐことができない。
けれども彼は元来の宗教家であり、こと宗教に関する学識に於ては世良田の及ぶところではなく、又、宗団経営の見解、手腕についても、自分に独特の識見をそなえている。
元々、禅、真言、天台と仏教だけでも三宗を転々としたほどの山師的、唯我的な男であるから、自分が一宗をひらきたいということは彼の念願であるに相違ない。