商店の奥をのぞくと、時計は九時をまわったところだ。
いいカモをつかんで一パイありつきたいものだと思っているところへ、進みよった一人の紳士、黒い外套の襟に顔をうずめ、ハットを眼深にかぶっているが、色白の秀麗な眉目は隠しきれない。
美髯をピンと八の字にはねて、年のころは二十六七、三十がらみという青年紳士である。
商店の奥をのぞくと、時計は九時をまわったところだ。
いいカモをつかんで一パイありつきたいものだと思っているところへ、進みよった一人の紳士、黒い外套の襟に顔をうずめ、ハットを眼深にかぶっているが、色白の秀麗な眉目は隠しきれない。
美髯をピンと八の字にはねて、年のころは二十六七、三十がらみという青年紳士である。