探偵が自分の跡を追っているような気がして寸時も心の休まる時がなく、宿舎へ戻ればそこに探偵が待ちぶせているように思われ、彼方へ歩き此方へ曲りして、どこを歩き、どこをさまよったか、よくも記憶していないが、最後にどこかよく知らない寄席で時間をつぶして、深夜宿舎へ戻ってきた。
キミエの陳述は以上の如く、てんで雲をつかむようであるが、罪を犯して逃げる者の心理としては、甚だ当然なことでもあった。
新十郎は再び荒巻をよんで、
探偵が自分の跡を追っているような気がして寸時も心の休まる時がなく、宿舎へ戻ればそこに探偵が待ちぶせているように思われ、彼方へ歩き此方へ曲りして、どこを歩き、どこをさまよったか、よくも記憶していないが、最後にどこかよく知らない寄席で時間をつぶして、深夜宿舎へ戻ってきた。
キミエの陳述は以上の如く、てんで雲をつかむようであるが、罪を犯して逃げる者の心理としては、甚だ当然なことでもあった。
新十郎は再び荒巻をよんで、