奴め握り飯を腰にぶらさげてきて海舟の朝食に御相伴したらしく、彼のお膳の横には竹の皮がちらかっている。
海舟は食後の茶を味わい、再び砥石に水をしめしてナイフをといだ。
静かにとぎ終って、薄い刃に吸いこまれるように眺めふけっていたが、チョイと蚊でも払うような軽さで小手を後にまわしたと思うと、後頭をきり、懐紙で血をふいた。
奴め握り飯を腰にぶらさげてきて海舟の朝食に御相伴したらしく、彼のお膳の横には竹の皮がちらかっている。
海舟は食後の茶を味わい、再び砥石に水をしめしてナイフをといだ。
静かにとぎ終って、薄い刃に吸いこまれるように眺めふけっていたが、チョイと蚊でも払うような軽さで小手を後にまわしたと思うと、後頭をきり、懐紙で血をふいた。