と云って、凜然たる未亡人の気品には勝てないし、ひどく虚無的なキク子にも圧倒されざるを得ないが、弟の一也の皮肉だけは、もう怖くはない。
むしろ、こうなると、家族の中で一番気のおけない相手であった。
一也が書生に似合わない舶来の写真機をいじくりはじめたから、
と云って、凜然たる未亡人の気品には勝てないし、ひどく虚無的なキク子にも圧倒されざるを得ないが、弟の一也の皮肉だけは、もう怖くはない。
むしろ、こうなると、家族の中で一番気のおけない相手であった。
一也が書生に似合わない舶来の写真機をいじくりはじめたから、