同輩のバカ話の話相手にも加わりませんから、甚吉がどこで何をしているのやら、何を思っているのやら、それも誰にも分りやしません。
実際腕はよいのだから、まア仕方がなかろうというわけで、御近所に、今は零落なさッていますが、元は二百石とりの武士のお方のお嬢さんが、躾けもよく、よく出来た方で、こういうお方なら甚吉には向くかも知れないと、話をしてみたことがあるのですが、貧乏ザムライの売れ残りがイキのいい職人のカカアにもらえるもんですかい、という挨拶で、この野郎、とあの時ぐらい腹の立ったことはございません。
生意気と申したらありやしませんでした。