ひとつ田舎天狗の大将をオモチャにしてやろうというので、はるばる川越くんだりへ御足労とシャレた次第であった。
甚八に遠慮なく白をとられても、津右衛門には蚊のとまったほども応えないらしく、クスリと笑って、
「私の耳には江戸の噂も稀にしか届かないが、六段格の甚八さんという名はついぞ聞いたことがないな。
ひとつ田舎天狗の大将をオモチャにしてやろうというので、はるばる川越くんだりへ御足労とシャレた次第であった。
甚八に遠慮なく白をとられても、津右衛門には蚊のとまったほども応えないらしく、クスリと笑って、
「私の耳には江戸の噂も稀にしか届かないが、六段格の甚八さんという名はついぞ聞いたことがないな。