果して実力ある行者であろうか、山師ではあるまいかと、日夜に思い悩んでいるうちに、ウバ桜とはいえ美貌の玉乃は志呂足の情婦とも妾とも侍女ともつかぬ得体の知れないものとなり、地伯もいつか狂信して、志呂足の長女比良をめとり、千頭家の番頭よりも、山の神の忠実な玄関番になってしまった。
下男も女中もみんな志呂足の信者となって、広い邸内に千代の味方は一人もいなくなったのである。
千代は心細さにたまりかねて、兄の天鬼に相談した。
果して実力ある行者であろうか、山師ではあるまいかと、日夜に思い悩んでいるうちに、ウバ桜とはいえ美貌の玉乃は志呂足の情婦とも妾とも侍女ともつかぬ得体の知れないものとなり、地伯もいつか狂信して、志呂足の長女比良をめとり、千頭家の番頭よりも、山の神の忠実な玄関番になってしまった。
下男も女中もみんな志呂足の信者となって、広い邸内に千代の味方は一人もいなくなったのである。
千代は心細さにたまりかねて、兄の天鬼に相談した。