酒屋へ使いに出されるたびに、正二郎が好んで行くのは「松嵐」という清酒の造り酒屋であった。
なぜなら、この家だけは小心者の正二郎を憐れみ、彼を彼の一味とは別の人種として取り扱い、いたわってくれるからであった。
この家の一人娘のお米が別して正二郎をもてなし、両親もそれを認めている様子が、一そう彼の旅愁をなぐさめたのである。
酒屋へ使いに出されるたびに、正二郎が好んで行くのは「松嵐」という清酒の造り酒屋であった。
なぜなら、この家だけは小心者の正二郎を憐れみ、彼を彼の一味とは別の人種として取り扱い、いたわってくれるからであった。
この家の一人娘のお米が別して正二郎をもてなし、両親もそれを認めている様子が、一そう彼の旅愁をなぐさめたのである。