帰る時、奥さんは「どうもお気の毒さま」と会釈した。
その調子は忙しいところを暇を潰させて気の毒だというよりも、せっかく来たのに泥棒がはいらなくって気の毒だという冗談のように聞こえた。
奥さんはそういいながら、先刻出した西洋菓子の残りを、紙に包んで私の手に持たせた。
帰る時、奥さんは「どうもお気の毒さま」と会釈した。
その調子は忙しいところを暇を潰させて気の毒だというよりも、せっかく来たのに泥棒がはいらなくって気の毒だという冗談のように聞こえた。
奥さんはそういいながら、先刻出した西洋菓子の残りを、紙に包んで私の手に持たせた。