そのニマメもツタダニも干物もカズノコも、米もありやしねえじゃないかとタンカをきっていたのを見たが、なるほど戦争中の日本人の半分は貧民窟以下の食生活を経験したようである。
しかし貧民窟では、その最低の食料を買う銭が一月のうち半分はなかったのである。
正二郎はいささか胸つぶれる思いであったが、お久美には今はメクラの連れ添う男がいて、小さい子供が五人も生れているといえば、今さら名乗りでて、どうなるものでもない。
そのニマメもツタダニも干物もカズノコも、米もありやしねえじゃないかとタンカをきっていたのを見たが、なるほど戦争中の日本人の半分は貧民窟以下の食生活を経験したようである。
しかし貧民窟では、その最低の食料を買う銭が一月のうち半分はなかったのである。
正二郎はいささか胸つぶれる思いであったが、お久美には今はメクラの連れ添う男がいて、小さい子供が五人も生れているといえば、今さら名乗りでて、どうなるものでもない。