彼はこまかい金で一ヶ月の生活費をチョッキりうけとってきて、概ねツリ銭のいらないように小ゼニを渡して買物を命じた。
しかし、左近は幸平の銀行へ現れたことはなかったのである。
幸平の養父母は他界して、彼が一人のこされたが、十七の若年から銀行員となった彼は二十の年には一ぱし経済界の裏面に通じたような錯覚を起し、株に手をだして失敗した。
彼はこまかい金で一ヶ月の生活費をチョッキりうけとってきて、概ねツリ銭のいらないように小ゼニを渡して買物を命じた。
しかし、左近は幸平の銀行へ現れたことはなかったのである。
幸平の養父母は他界して、彼が一人のこされたが、十七の若年から銀行員となった彼は二十の年には一ぱし経済界の裏面に通じたような錯覚を起し、株に手をだして失敗した。