左近はアリガトウも云わなければ、軽くうなずきもしなかった。
実にただ薄笑いをうかべて、幸平の差出したものを黙ってつかんで、まず預金帳を懐中にしまいこみ、次に印鑑をつまんでヘコ帯の中へ入れてグルグルまきこみ、それを帯の一番内側へ指で三四度押しこんでから、札束を掴みあげた。
一万円の束から千円算えてひきぬいて、それを七千円にたして、
左近はアリガトウも云わなければ、軽くうなずきもしなかった。
実にただ薄笑いをうかべて、幸平の差出したものを黙ってつかんで、まず預金帳を懐中にしまいこみ、次に印鑑をつまんでヘコ帯の中へ入れてグルグルまきこみ、それを帯の一番内側へ指で三四度押しこんでから、札束を掴みあげた。
一万円の束から千円算えてひきぬいて、それを七千円にたして、