それを弟に貸し与えると、彼の手にのこるのはたった百五十円にすぎない。
せっかく八千円の財産をもらっても、百五十円だけ握って、あとは捨てるようなものだ。
三十の年配になってもたった一部屋の城主にもなれずナマズヒゲに手を当てて小僧や女中の嘲弄に胸をさすらなければならぬ正司の煩悶は尽きるところを知らぬであろう。
それを弟に貸し与えると、彼の手にのこるのはたった百五十円にすぎない。
せっかく八千円の財産をもらっても、百五十円だけ握って、あとは捨てるようなものだ。
三十の年配になってもたった一部屋の城主にもなれずナマズヒゲに手を当てて小僧や女中の嘲弄に胸をさすらなければならぬ正司の煩悶は尽きるところを知らぬであろう。