さてこの借金を兄に返済する段になると、月に十円の大金を支払っても六十五年もかかる。
ソバ屋の出前持の給金は、住みこみ月額三円五十銭というから、月に五十銭か、せいぜい一円の支払い能力しかなく、実に元金の返済だけでも六百五十年を要するのである。
幸平はこの七千八百五十円をわが物としなければ、ついに法の裁きをうけて牢舎にこめられ、世間の相手にされなくなって暗い一生をいつも葬式のようにヒソヒソと歩いて送らなければならなくなる。
さてこの借金を兄に返済する段になると、月に十円の大金を支払っても六十五年もかかる。
ソバ屋の出前持の給金は、住みこみ月額三円五十銭というから、月に五十銭か、せいぜい一円の支払い能力しかなく、実に元金の返済だけでも六百五十年を要するのである。
幸平はこの七千八百五十円をわが物としなければ、ついに法の裁きをうけて牢舎にこめられ、世間の相手にされなくなって暗い一生をいつも葬式のようにヒソヒソと歩いて送らなければならなくなる。